2011年12月28日水曜日

プレゼンテーションの敗北、そして論文メッセージの明確化

みなさま、こんにちは。
前回に引き続き、本日のブログは、うらたが担当致します。
最近は、かなりのハイペースで卒論を進めております。
毎日が、相方原さんとの青春です。()

前回のブログでは、佐川急便へのインタビューでの気付き、
そしてその後の研究室での相談について報告させて頂きました。
研究室相談にて、論文全体のストーリーがある程度固まったので、
26日の研究室相談までに論文の流れを、パワーポイントで作成することにしました。

というのも・・・前回の研究室相談時に、
「私たち、文章書くの苦手なんです!」と先生に弱音を吐いた際、
「2人とも、プレゼンテーションはそこそこ得意なんだし、
次回研究室でプレゼンテーションをしてもらって、
その様子を録音して、その録音データを文字に起こしたら文章になるんちゃう?」
という、井上先生からの一言がきっかけでした。

井上先生いわく、実際に自分の講演やプレゼンテーションを録音してから、
論文を書く著名な方はいらっしゃるようです。
このことを聞いて、「私たちにも論文が書ける!」と、
少々気楽に考え、26日に向けて早速プレゼンテーションの準備をはじめました。

実際に作成してみると、とても難しい。
導入に用いている先行研究の部分や、今回扱う宅配便の事業の仕組みの説明など、
意外に盛り込まなければならない要素が多いのです。
結果、スライド40枚にも渡る資料が完成しました。

そして・・・・・・
実際にプレゼンテーションを行ってみると、なんと、総時間45分。

ゼミの発表のときのプレゼンテーションでさえ、
長くて30分だというのに、それを15分も上回る程の量なのです。
「久しぶりのプレゼンテーション♪」なんて、
楽しんでいた私たちでしたが、これによって急に不安が押し寄せてきました。

またしても、不安を抱えながら挑んだ、26日の研究室。

早速、私たちは先生、院生を前に、プレゼンテーションを行いました。

総時間、40分。

これほどまでに、長く、
話してて辛い気持ちになったプレゼンテーションは初めてでした。

そして、発表が終わって、井上先生が一言。

「一言二人に伝えるとしたら、このストーリーで言いたいこと、スライド5枚でまとめなさいっていうことやな。何を伝えたいのかが分からない。」

・・・私たちの40分間の挑戦は、この一言によりあっけなく敗北しました。

そのあと、われわれの敗北の原因に関していくつかコメント頂きました。
その中でも大きなポイントとして、3点紹介します。
(論文やプレゼンテーションを行う際に必要な考え方、
注意すべきポイントにも触れますよ!)

(1)先行研究がケースの内容と繋がらない
私たちは、「模倣」や「同質的行動」に関する先行研究をあさって、
きっちりとレビューをして、今回の資料を作成したつもりでした。
しかし、現状の“単なる情報の羅列”にすぎないレビューでは、
読者(プレゼンテーションだと聞き手)に問題意識を植え付けることができない
ということでした。
本来、先行研究のレビューを通して、読者に問題意識を植え付け、
ケースを読む前に理論のレンズを埋め込んでおく必要があるのです。
ケースで言うメッセージを意識して、先行研究の情報を選び、
上手く並び替える作業が必要だということになりました。

(2)ケースの記述が淡々としており、長い
私たちのプレゼンテーションにおいては、
ヤマト運輸・日本通運・佐川急便という3社それぞれの仕組みを紹介しました。
それぞれの経営資源や、収益構造などを同じレベルで説明しました。
ですが、井上先生から、日本通運・佐川急便の2社に
焦点をあてるべきだということを指摘して頂きました。

ヤマト運輸の仕組みに関しては、
すでに小倉昌男氏の『経営学』(日経BP社)にてしっかりと説明してあります。
あくまでも私たちは、ヤマト運輸の仕組みの説明をしたいのではなく、
日本通運と佐川急便の2社が、ヤマトを見てどのような仕組みを作り上げていったのか
に着目したいという目的がありました。
だから、全ての仕組みを詳細に記述するのではなく、
2社の仕組みの模倣を説明する上で必要となる部分のみを抽出して
説明すべきだということに気付くことができました。

全ての情報が大事だと思い、多くの情報を盛り込みがちですが、
論文やプレゼンテーションのストーリーに必要ではない情報は、
そぎ落とす努力をしなければならないということですね!

(3)全体の構成を通して、問いが深まっていかない
上で述べた点を注意する前に…
私たちのストレートなメッセージは何なのかを考える必要がありました。
全体を通しての“問い”が何であるのかをシャープにすること、
そしてその“問い”をケースを通して深めていく作業が必要だ
というコメントを頂きました。

問いを深めるというと、NHKのドキュメンタリーなんかが参考になるとのこと。
一つのテーマに対して、「身近な問い」を投げて、具体的にケースを見ていく。
そのあと、ケースを見て浮かび上がってきた新たな問いを投げて、視聴者の関心を引く。
そして、ケースの更に深い分析に繋げていく。
このような全体像を思い浮かべて、全体のケースを構成しなおすことが大事なのです。


私たちは、敗北した悔しさを旨に、
早稲田生ならば誰しもが利用したことがある、22号館PCルームに向かいました。
そして、先生から頂いたアドバイス通り、
ストーリーで言いたいことをスライド5枚でまとめるという作業に移りました。

上記のコメント・アドバイスを意識しながら、
私たちのケースをいきいきと描けるようなストーリーを構成していきました。

気がつけば、深夜1時。完成しました。
(※完成した深夜1時には、当然二人の終電はありません。
完成したのち、インタビューの録音データの文字起こしを行ったこともいい思い出です。笑)

そして明朝。

井上先生から、「5スライドのメッセージ、OKです!」の返信がありました!!!

敗北のあとの、合格の言葉は嬉しさがひとしおです!!
とりあえず一安心です。

とはいえ、次の課題は、先行研究、理論的なレンズをどう盛り込むか
という難題になりそうです。
年末、もう一度研究室に相談に伺うチャンスが残されているので、
それまでもうひと踏ん張りです!


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