2012年1月21日土曜日

ラストスパート!そして・・・懸賞論文提出!

お久しぶりです、宅配便班うらたです。
(私にとっては2012年初ブログになりますね。あけましておめでとうございます!)

前回は、井上先生からの「もう完成ですね」の一言で、
論文の大枠が決まった!というところまでを記しました。
今回のブログでは、
そこからの私たちの怒涛の一週間、
そして、論文提出というクライマックスまでをお伝えしたいと思います。

まず、117日(火)
この日、私たちは、どっきどきでした。
早稲田商学学生懸賞論文に提出する2班がゼミから選出される日だったからです。
前回のブログで書いたように、「もう完成ですね。」の一言を貰って、
嬉しい気持ちは大きかった私たちでしたが、いざ他の班の論文を読むと、
とても面白く、論理的で、とても不安になりました。

そんな中で迎えた、発表の瞬間。

先に発表されたのは、「F1班:玉置、草野」でした。
この班は本当に、ずっと自分達の研究に本当に没頭して、
8期の中でも先頭を走り続けてくれた班でした。頼もしい同期です。

そして、もう一班。私たち、宅配便班を選んで頂くことができました。

振り返ってみれば、宅配便をケースとして研究しようと決めたのは、11月。
どの班よりも遅れをとっており、本当にゼロからのスタートでした。
同期と比べていつも情けない発表を繰り返していた私たちだったので、
半ば懸賞論文は諦めていました。
相方の原とも、「懸賞論文は無理かもしれないけど、絶対うちらの納得できる論文を卒業までに書ききろうね。」と話していた程でした。

とはいえ、私も原も、懸賞論文入賞をずっと目標としてきていました。
本当のところは諦めきれていませんでした。

・・・だから、本当に嬉しかったです。

自力で書きあげることなどできず、
頂いたアドバイスに必死に食らいつくしか出来ない私たち。
井上先生、院生の方々には、本当に多くのご負担をかけてしまったと思います。
ですが、やはりこの時の喜びは本当に大きなもので、
懸賞論文までのあと3日間、最後まで粘り強く頑張ろうと相方と誓いました!

118日(水)
この時点での私たちの論文をインタビューに協力して頂いた方々に送らせて頂きました。
そして、全ての方から、懸賞論文への提出の許可も頂くことができました。
ほっと一安心。

ですが・・・「まだまだ直すところあるよ。」と院生の方から指摘を受けました。
以下の写真は、院生から頂いたフィードバック。
(夜中に私たちの論文を読んで、詳細にコメントして頂きました。感謝です。)



にも関わらず、先生からは、
「直し過ぎると、改善のつもりが改悪になることもありますね」
と指摘されてしまい、私たちは戸惑いました。

そこで、「抽象的な表現を具体的に定義する」という作業を中心に、
改善していくことにしました。
大まかな論文のメッセージから覆すということは
この段階では改悪になる危険性が高いこともあったので、
上記の課題に絞ることにしたのです。

理論を用いる考察部分などは、院生の方々にも何度も確認、ご指導頂きました。
たとえば、私たちの考察部分におけるキーワードである、
「自己への深い理解」という言葉。このままだと、曖昧ですよね。
まず、「自己」を自社のビジネスモデルと定義しました。
(※国領 (1999)Chesbrough (2007)井上 (2010)Johnson (2011)Magretta (2002)Osterwalder and Pigneur (2010)などを用いて説明しました。これらの研究は分解要素の多さと概念の範囲で先行研究を分類することができます。)
そして、「深い理解」という概念に関しては、
石井 (2009)によって提唱された、対象に「棲み込む」という概念を引用することで、
具体的にすることができました。
(※新たなビジネスモデルを築く際に、企業は「ビジネス・インサイト」と呼ばれる創造的知をはたらかせる必要があるのですが、これを認識するにはその対象に深く入り込む、すなわち棲み込むことが不可欠であるとされています。)

自分たちの研究にそれぞれお忙しい中だったにも関わらず、
お時間を割いて下さった院生の方々には、本当に感謝の気持ちで一杯です。

また、8期のみんなにも、たくさん協力してもらいました!
細かい言葉の定義に気を配って、
しっかりと時間をかけて論文を読んでくれた平田。
日本語の使いかたにまで踏み込んで、
「そもそもここおかしくない?」と鋭い指摘をくれた村上。
同じく懸賞論文に提出するため忙しいはずなのに、
私たちの論文を読んでアドバイスをくれた玉置。
論文前半だけでコメント30個以上、と
相変わらず毒舌な指摘をくれる原りゅうすけ。
(「後半はとても読みやすかった、さすがだね!」という激励のメールもくれました!)

直前になって、急に弱気になることもありましたが、
同期や院生の最後のひと押しのおかげで、なんとか踏ん張ることができました。

そして、提出直前まで、音読に音読を重ね、必要な書類を準備。

そしていよいよ迎えた、120日(金)1500
私たち宅配便班の卒業論文
『失敗経験を通じた組織学習の深化-日本通運と佐川急便の比較分析』
を、無事に提出することができました。

正直、まだ終わった実感がない私たちですが、とにかく「やりきったな」と思えます。
そして、提出を完了した今、感動と幸せで一杯です。

私たちの卒業論文は、
本当にたくさんの人の力があってこそ完成させることができたものだと心から思います。

インタビューに協力していただいた方々には、
私たちの未熟さ・無知さにも関わらず、丁寧に対応して頂きました。
また、お忙しい中、私たちのために長い時間を割いて頂き、本当に感謝しきれません。

また、年末の最後の最後まで、私たちにお付き合い下さった、井上先生、院生の方々。
私たちだけでは気付けない視点を頂き、
頂いたアドバイスから本当に多くの気付きを得られました。

改めて、ここに記して心より感謝申し上げます。
本当に、ありがとうございました。

2012年1月15日日曜日

先行研究・考察を深め、ラストスパート!~仲間と先輩の助けに感涙の巻~

私たちのゼミで使用するヤフーのメール量が
年末から年始にかけてかなり増え、もうすぐ100%に到達しそうな今日この頃です。
各班、お互いの卒論に活発にフィードバックをし合っている素敵な状態ですね。
こんにちは、宅配便班の片割れ、原です。

前回まではとにかく懸賞論文のファーストドラフトに間に合わせようと、
ひたすらに文章化に取り組みましたが、結果はモデル論文を理解不足によってリトライに。修正を重ねた結果、ケースについてはまずまずの評価を頂いたのが前回でした。

次なる私たちの課題はケース以外の部分の文章の表現や構成を詰めることです。
特に重要な課題は「先行研究」と「考察」。

まず、私たちの先行研究「情報の連鎖」と「経験学習」については
2つ前のブログで紹介させて頂きましたね!
この2つの先行研究の整理の仕方や見せ方、2つを繋ぐ文章の構成など、
私たちは先行研究の執筆にだいぶ頭を抱えていました。

そんな時、私たちを助けてくれたのは
同期の中でもずば抜けて卒業論文作成に力を入れており、
なおかつもう卒論完成の域にまで達しているF1班!
この班はスポーツビジネスに関する海外文献をひたすらに読み、
とにかく先行研究の整理を丹念に行っていた班でした。
(その内容はぜひ“一握りが金を生む”のブログをご参照くださいね!)

セカンドドラフト前日のサブゼミ時、
私たちはそんなF1班を独占し、さっそく先行研究の整理方法を伝授してもらいました。

…既存研究の整理、そこからまだ言われていない課題を抽出という流れを、
ホワイトボードを使って一緒に組み立ててもらったことで、
先行研究がだいぶすっきりさせることができました。
F1班には本当に感謝感謝です。

私たちは助けてもらったお礼にF1班の卒論を読むことにしました。
定量研究の論文を読みなれていない私たちならではの視点を彼らにも提供できれば!
と細かい点までフィードバックをし、
切磋琢磨しながらセカンドドラフトに向けて執筆を続けました。

その日は明日のセカンドドラフトに向けて
ファーストドラフト前の追い込み時と同様、
またまたパソコンルーム22で夜通し先行研究の整理を行いました。
もう、22号館の住人ですね。

そして、14()セカンドドラフト当日の朝、
先行研究の整理とケース部分の微調整をして先生へメールを送りました。
すると、F1班が協力してくれた先行研究のレビューは秀逸とのお言葉が・・・(泣)

しかし、その後のコメントには
「考察部分の記述が浅い」という次なる課題が記されていました。

考察というのは事例から解釈したこと、
また、その解釈を通じて自身が先行研究から目的に対しどんな答えを出したのか、
という論文の中でも重要な部分です。(どれも重要ですが)

そんな重要な部分をこれから夜通し使い果たした頭でやるのは
厳しいものがあったようで…なかなかいいものが思い浮かびません。
そこで、その日は思い切って一時帰宅し、次の日の朝から作業をすることに。

次の日、私は化粧もせず家を飛び出し、図書館が閉館していたために
学生会館というサークル活動などを中心に行う大学の施設に足を運びました。
2人で黙々と考察の部分を練っていると…

「いやー休日も卒論とはねー」

とダンディなボイスが聞こえてきました。
ふと見上げると、そこにはなんと6期生のS本さんの姿が!!
その日はサークルの用事で学生会館に来ていたようですが、
私たちの姿を見て声をかけてくださいました。

S本さんは学生時代、懸賞論文の提出班に選ばれ、佳作を受賞しています。
そんなS本さんは私たちの辛さを察したようで、
さっとコンビニから大量のお菓子と栄養ドリンクを購入し差し入れをしてくださいました。
ちょっとしかお話できなかったですが、
「頑張れよ!」と疲れた私たちの心に元気を与えてくれました^^

そんな先輩の優しさによって気合も入ったところで、
私たちは引き続き考察について考えました。
上記でも述べたように、考察というのは事例の解釈だけでなく、
さらにその答えはなぜ導き出されたのかを描く必要があります。

そのため、自身の考えだけでなく、どういった部分に新規性があるのかを
もう一度、先行研究から整理しつつ記述していくことにしました。
具体的に私たちが注目したのは

「直接経験の中でも失敗経験、さらにはその失敗経験から復活していくステップ」
に失敗経験の重要性が隠れているのではないか

という点でした。
佐川急便の信用の危機という失敗経験から自身の強みを再認識する復活劇は、
ヤマトを見て学習する(関接経験からの学習)際に有効に生かされたと考えたのです。
(詳しくは、3月ごろアップ予定の私たちの論文を読んでください!!)

先行研究からストーリーラインを組みたて、
事例から述べる事の出来る要素を抽出していくことで、
やっと考察の記述を分厚く描くことができました。

そして、再度先生へリベンジ!
考察を書き換えた卒論を提出した約1時間後…冒頭の一文に

「もう完成ですね」

の文字が見えた瞬間、私たちは学生会館で叫び、感動しまくりました!

周りからは冷たい視線を感じましたが()
何度も何度も送り、何度も何度も修正を重ねてきた結果、
ついに卒論が完成に近づいたようです。

その日は私たちにとって大切な記念日になりました。



私たちはお世話になったF1班にお礼メールを送り、
さっそく中間打ち上げのごとく、焼き肉を食べに行ってしまいました()

しかし、目指すは懸賞論文提出レベルまでに質を高めること!!
まだまだ細かい修正を重ねつつ、精進して参りたいと思います。

2012年1月9日月曜日

文章化へ突入!モデル論文の偉大さ~懸賞論文第一回審査前の敗北の巻~

あけまして、おめでとうございます。
1月1日も朝から佐川急便のトラック、
駆け走る青のストライプの制服
を見て、感慨深い気持ちになりました。
みなさん、どうもこんにちは。宅配便班の原です。

私たちは年末の研究室相談でアウトラインを書き上げ、
モデル論文を手に入れたことにより、次のステップである執筆に移ることができました。
前回の相談後、
それぞれ執筆する箇所の分担を決めようと試みましたが、
その際考えなければならないことは、
私たちの論文において何よりケースの描き方が命!ということでした。
足しげく通ったインタビューの情報を盛り込み、
読者が惹きこまれる文章にするためには、少々負担は大きいものの、
日本通運と佐川急便のケースを描く部分は二人とも描くことにしました。
そして、ケース部分以外(導入部分や事例選択など)はそれぞれ分担を決め、
執筆作業に移りました。

年末年始、私は実家でお休みをしながら、
ひたすらに文章化を進めたわけですが…文章を書きながら切に感じたのは、

自分の考えや思いはあっても、実際に文字にしていくことは難しい

ということでした。
アウトラインとして完成していても、
第三者に自分たちの伝えたいことをどう伝えたらいいのか…
考えれば考えるほど迷走していくのです。

しかし、そんな時、救いになったのはやはりモデル論文でした。
※前回のブログで紹介しましたように、私たちのモデル論文は沼上・浅羽・新宅・網倉著の『対話としての競争 ―電卓産業における競争行動の再解釈―』です。

モデル論文の語調や構成を参考にするとだいぶ論文っぽく、
ケースを描けるようになってきたのです。やはり立ち返るべきはお手本ですね。

そして、お正月も終わりに近づいた3日、
久しぶりに相方の浦田とSkype(インターネット上で会話ができるソフト)
打ち合わせをしました。
もちろん、内容は卒論の執筆状況の確認ですが、
お互いに文章化はやっぱり難しいという議論になりました。
そして、お互いに詰まっている部分を見直しつつ、
励ましあいながら、やるっきゃない!書くっきゃない!ということで、
まずはとにかく全体が見えるように構成を立てながら文章を書き進めていきました。

5日、お互いに文章を書き上げ、
統合させようと早稲田近くのマクドナルドで作業をしました。
パソコンの前にへばりつきながら、作業を進めていると、
ゼミのメーリングリストに懸賞論文に関する内容が先生から送られてきました。

「懸賞論文の提出は20日です。そこからバックキャストをすると、1月7日前後 ファーストドラフト(感触をみる)1月14日前後 セカンドドラフト(公式審査)1月17日 最終決定という流れですね」

…このスケジュールで懸賞論文班を決定するそうです。
このメールを見て私たちは顔を見合わせ「あと2日で提出??」と焦りましたが、
何はともあれ、実際に統合させてみると、
なんとなくきれいな流れができたように感じました。

2人で少々ウキウキしていたところ、
「何してるのー?」
と院生の永山さんとマックで遭遇したのです。
永山さんはいつもふらっと現れて、研究のアドバイスをくれるのですが、
ずうずうしくも私たちは7日のファーストドラフト前にぜひアドバイスを!と、
ちょこっと論文を読んで頂きました。

結果は、導入から先行研究までをがっつり指摘されました()
内容としては、アウトラインの段階から懸念していた先行研究のロジックが
やはり文章にしてもつながっていないということでした。

しかし、5日である今、
先行研究の修正に手を出すとケース部分も不完全なままに
ファーストドラフトに突入してしまい、間に合いません。
そこで、私たちはひたすらにケースの精度をあげることにしました。
選択と集中です。

7日の夜から日付をまたぎ、8日の朝をパソコンルームで迎えました。
ケースの部分の描き方はモデル論文を参考にしつつ、
なんとか自分たちなりに描き切ったといえるものが完成しました。
とにかくファーストドラフトで早めに提出し、
早く先生からコメントを頂こうとその日の朝一でメールの送信ボタンをポチ。

一息ついた私たちは帰宅するか、先生のメールを待つか
悩みながら過ごしていましたが、
ひとまず他のゼミ生が書いた卒論のアウトラインのフィードバックを
一時間ほどして時を過ごすことにしました。

そのフィードバックも送り終わり、岐路につこうと
パソコンルームを後にしようとしたところ、メールボックスに先生からコメントが届いていました。ドキドキしながら、メールを開くと…

「一言でいえばケースの記述が冗長?余分?ドキュメントタッチはひとまず忘れましょう。妙に混在しています。1.はじめに、を全面改訂。2.(先行研究)については改善の余地あるが、まずOK。3.(事例の選択)は大幅な加筆が必要。4.(ケースの部分)が悩ましい。本当にお手本を参照したのでしょうか?」

とのことでした。
…なるほど、今日は帰れそうにありません。
私たちは先生からのアドバイスをすぐさま訂正しようと
パソコンの前に座りましたが、オール明けの頭ではなかなか作業が進みませんでした。

そんな私たちは一時間の気分転換を決意し、カラオケへ向かいました()
クリームソーダを頼み、2人でAKBを歌い、
相方浦田のモノマネやら演歌を熱唱する原など…
一時間はあっという間に過ぎていきました。

大きな声を出し、踊りまくってすっきりした私たちは再びパソコンルームへ。
先生のコメントから察するに、
私たちはどうも「本当の意味でモデル論文をお手本にはできていなかった」ようです。

つまり、自分たちの書いた文章を読むと、
分析視点(「~であるとわれわれは考えた」「~だと理解して頂けるであろう」等)と
事実(「~である」とか「~になっている」とか)
が混在して事例を描いてしまったようでした。

確かにモデル論文をみると、
事例では「われわれは~だと考える」という記述は一切なく、
すべて視点はその事例の当事者です。
(私たちの例でいえば日本通運や佐川急便が主語となる記述の仕方をしなければならなかったのです)
また、さらにモデル論文をよく読むと、
分析視点の記述はすべて別の章で述べられていました。

…私たちはここでも模倣の難しさに直面しました。
いくらモデルがあってもそこから忠実に模倣するのはかなり大変です。
深くモデルを見抜き、模倣するためには
失敗してそこから新たにモデルを参照する必要があるのかもしれません。

何はともあれ、その事実を発見した私たちは
今まで混同していた事例の書き方を改め、
分析視点と事実の現象とで章ごと分けて描くことにしました。
ケースを描きなおし、提出すると…

ひとまずケースについてはOKとのこと!!
早稲田に滞在すること、31時間。
ケースに一区切りの目処がついたところで、私たちは帰宅することにしました。

次なる目標はケース以外の記述を詰めることです!
卒論完成までの道のりはまだまだですが、女二人走り続けます!