2011年10月30日日曜日

大企業“日本通運”の躓き(つまづき)


こんにちは。
女の子二人で始めた宅配便における研究ということで
班名を映画のタイトルとかけました!!
(魔)女の宅配便班!!
片割れの原です。

私たちはあれから
ヤマト運輸の宅急便事業がいかにして成功したのか、
そして他社が同じように動物のシンボルマークを用いて
市場に参入してきたにも関わらず、失敗していってしまったのか

この疑問を解消すべく、
フィールドワーク調査を行おうと
現場の方の話を聞こうと考えました。
そこで、30社近くもある追随企業の中から
私たちが目をつけたのは、
現在運輸業界の中でも大手の企業である日本通運。

日本通運は元々鉄道で輸送されてきた荷物を
トラックに積み込み配達するという通運事業を強みとして発展してきました。
そのため、駅があるところには
日本通運の大きな拠点が存在しているわけです。

宅配便事業に関しては
ヤマト運輸が事業を開始した一年後に
『ペリカン便』というネーミングでスタートしました。
元々、持っていた全国に敷かれている配達網、
既に所有しているトラック
日本通運は元から全国輸送網という優良な資源を保有していました。

にも関わらず、
現在日本通運のペリカン便は日本郵政に全業務を委託しています。
つまり、宅配便事業に関しては手をひいたということです。

どうしてトップ企業であり資源も多く保有している日本通運が
ペリカン便を手放してしまったのだろうか。

私たちは知り合いの方にご紹介頂き、
元日本通運の航空貨物輸送で働かれていた社員の方に
お話を聞くことができるチャンスを得ました!

この班になってから初めてのインタビューです!
今回のインタビューの目的は日本通運という会社を知ること
念頭においてインタビューを始めました。

するとその方はなんと!
私たちの研究概要を聞いて小倉昌男の経営学を持参して下さるほど協力的な方でした。
1時間のインタビューを終えて、私たちは以下のコメントが心に残りました。

「そもそも現場の人間が大口貨物とプラスして小口もって言ったら、モチベーション上がらないよね、お客様に荷物を渡す時の挨拶からヤマトと違うからねー」

これまで日本通運は国鉄と協力して大口貨物を運ぶことに関して
プロフェッショナルであるドライバーさんが、
いきなり宅配便のような小口荷物を運ぶことを任せられても
確かにとまどってしまうのだろうな。
まして、宅配便ならではの不在”(配達先に受け取る人がいない場合)の再配送など
あった日には苦労も絶えなかっただろうななど。

今まで資源は配送するためのネットワークやトラックなどと捉えてしまいがちでしたが、
人材も確かに資源だということを痛感させられました。

元々保有している資源を有効的に使おうとしてしまうこと
気づきを整理する中で、これが模倣する際に注意する点なのではないかと考えました。

では、うまくいった企業はどのような経緯で事業を立ち上げていったのだろう。
そんな疑問を抱きつつ、
秋も深まる今日この頃、引き続き急ピッチで頑張ります。


2011年10月20日木曜日

新プロジェクト・模倣の失敗に関する研究のはじまり


こんにちは!井上ゼミナール8期、宅配便班の浦田と申します。
宅配便班は、私、浦田と、原、の女二人組で取り組んでおります!!
宅配便班、最初のブログ、ということで、
私たちの班の紹介と、研究概要についてご紹介できればと思っております。

実は私たち・・・
11月になってできた、新チームなのです!

といいますのも、以前までは、小売班として、4人で研究してきたのですが・・・
小売だけではなく、宅配便事業のケースも興味深い、
ということになりまして、2人ずつの別々の班に分かれて、研究することになりました。

以前の班では、定量データとの格闘、挫折・・・を経験し、
結局このタイミングでの新たな対象を用いての研究に変更、という
なかなか波乱万丈な私たちですが、残りの学生生活、とにかく駆け抜けるのみ!です!!


元々、私たちは、
企業の仕組みレベルにおいての「模倣行動」についての研究をしてきました。
「模倣」と聞くと、ネガティブなイメージを持つ方も多いかもしれないですが、
私たち井上ゼミでは、模倣は企業や組織にとって、
有効な戦略で大変知的で難しいものだと考えています。
学ぶという言葉の語源が、「真似ぶ」であることからも、
学習するためにはまず、他社を見て、
「真似ぶ」ことが重要であるということを分かって頂けるかと思います。


このような模倣についての研究を深めようと、
これまで私たちは、多くの企業、あるいは事業の成り立ちをリサーチし、
様々な「模倣の成功事例」をあさってきました。

ですが、雑誌記事や書籍では、「失敗事例」ってなかなか載ってないのです。

失敗のケースにも、参考になる要素がたくさん詰まっているはずなのに・・・

そう考えた私たちは、
模倣の失敗のケースを研究し、その失敗のロジックを解き明かすことで、
模倣する際の留意点などを提示する!
ということを目標にして研究することにしました。

そこでなぜ宅配便?
そう感じた方も多いかと思います。

ヤマト運輸のクロネコヤマトの宅急便を確立した、
小倉昌男さん著の『経営学』という本の中で、以下のような記述がありました。

「だが、周囲が驚く以上にこちらが驚くことがあった。宅急便をそっくり真似して宅配事業を始めた会社が続々と出てきたのだ。それもいきなり三十五社である。
ヤマト運輸が成功したのは、今まで誰も思いもよらなかった家庭の主婦を対象として荷物を集めたからだ。なるほど、家庭の主婦は運賃を値切らないし、考えてみれば良いお客だった。ヤマト運輸の実績を見ると、結構マーケットとして面白そうである。ひとつ同業に遅れないうちに参入した方が得だろう、と各社同じことを考えたのである。
ヤマト運輸が成功した理由の一つは、テレビから流れる「クロネコヤマトの宅急便」のコマーシャルにあると思ったらしい。そこで三十五社がそれぞれに動物のマークを作り、宣伝を始めた。ネコより強いイヌ、それも赤イヌ。小グマ、ライオン、ゾウ、キリン、いろいろな動物が参入してきて、さしずめ動物合戦とでもいうべき状態になったのである。」
(小倉昌男『経営学』日経BP社、1999年、p152153




ヤマトの成功を見て、宅配便に参入してきた企業の多くは、
宅配便事業の模倣があまりうまくいかなかったのではないか?

その上、ヤマトの成功の理由を、宣伝効果であると取り違え、
動物の名前を使って、一気に参入してきた、というところも面白い事実ですよね。

模倣するときには、
他社が「なぜ」成功しているか、を見ることも重要ですし、
自社が「なぜ」その事業に参入するのか、
をよく考えることも重要だと私たちは考えています。

失敗した企業は、そういった点を見落としてしまったのではないか?

私たちはこれから、
ここで言われている、数十社の宅配便事業の参入と撤退、
そしてそのプロセスを見る中で、
模倣の失敗のロジックを解き明かせられればと思っております。

さてと、まずは、宅配便に参入してきた企業を、
日経テレコンを用いて、記事検索をしよう!!
ということで・・・


私たち、宅配便班の研究スタートをしるした、記念すべき1回目のブログでした
私たちが駆け抜けていく様子を、今後ともご確認頂ければ幸いです!!